#10 タコスと自由についての雑記
しばらくぶりです。新年早々猛烈に忙しくなり、完全にやる気を失っていたのですが、自粛の煽りを受けて週末やることがなくなったので、更新します。
パーティしようぜ!という時期柄でもないですが、しばらく前にタコスパーティ(なお、一人)を開催したのでその模様をお伝えしようと思います。
トルティーヤ攻略戦 装備編
タコスの構成は①トルティーヤ、②サルサ、③牛肉、豚肉といった具材。まずは、もっとも攻略難易度の高いトルティーヤからやっていきましょう。
トルティーヤの原材料は「マサ」と呼ばれる、専用のとうもろこし粉です。これはアマゾンでポチります、南米だけに。
コーンフラワーで代替という話もありますが、残念ながら伸ばすことすらままなりません。マサもコーンフラワーもグルテンを含まないので、まとまるものではないのですが、マサは石灰水によってアルカリ処理されており、そこらへんが粘性の違いにつながっているようです*1。世のレシピではコーンフラワーで作るものがありふれているのですが、まったくお勧めできません。大人しくぽちるのが吉です。
あと、一緒にあれ買いましょう。トルティーヤプレス。マサとトルティーヤプレスを手に入れれば、実質勝利みたいなもんです。
Norpro トルティーヤプレス 15cm トルティーヤメーカー 並行輸入品
- メディア: ホーム&キッチン
トルティーヤ攻略戦 実践編
マサに水と塩をほんの少し入れます。加水率は55%で調整。
しっかりこねたものをピンポン球サイズ(30g)にまとめていきます。丸めたマサはひっつき防止のために、ジップロックにいれて、トルティーヤプレスでプレスしていきましょう。
フライパンで一気に焼き上げます。
『メキシコ料理大全』によれば220度で片面30秒、290度で片面45秒、ひっくり返して30秒。実際、家庭ではそんなダイナミックな温度の使い分けは無理ですので、高温でさっと焼いていくのが大切だということだけ頭に入れておきます。要は一気に加熱することで、水蒸気で生地を膨らますのがポイント。
ここでじわじわ焼きすぎると、しっとり感が失われてしまいます。
メキシコ料理大全: 家庭料理、伝統料理の調理技術から食材、食文化まで。本場のレシピ100
- 作者:森山 光司
- 発売日: 2015/07/10
- メディア: 単行本
うまく焼けると、ふかふかでコーン香るトルティーヤが完成。焼きあがったトルティーヤは水分が飛ばないように、注意しましょう。キッチンペーパーに包んだり、ジップロックにいれて保存します。
サルサは怒り状態で
曰く、サルサは怒りながら作ると辛くてうまくなるという。それでは、サルサ作りにうつりましょう。材料は玉ねぎ、トマト、にんにく、青唐辛子の酢漬け、ライム、パクチー。
いわゆるベーシックなサルサ、Salsa Mexicanaは上記の素材を本来カットしてあえるだけのものですが、個人的には生であえたものはトマトの味が薄くて、玉ねぎも辛いので苦手です。今回は玉ねぎとトマトを一度細かくみじん切り(ミキサーも良)した上で、ローストしています。
塩とライム、パクチーで最後に軽く味付けします。
牛肉のタコス そして伝説へ
タコス、時間がかかるなぁ、ぜえぜえ。最後タコス作りに取り掛かります。タコスの具材は牛、豚はじめ色々なバリエーションがあるのですが、考えるのが面倒だったので、牛ロースでつくるTacos de Resとしました。
塩胡椒で軽くいためたものに、生玉ねぎとパクチーをのせたもの。普通にうまいですが、まだ食べない、我慢。
はい、三種の神器が揃いましたね。
合体。しみじみとうまい。
濃厚な牛肉と爽やかに酸っぱ辛い旨味のつよいサルサ。そこに後から追いかけてくるコーンの鮮烈な香り。パクチーと玉ねぎがうみだすフレッシュで豊かな食感と香り。これは旨味の三重奏。そして伝説へ。
いやしかし、自宅でタコス占有できるって素晴らしい。トルティーヤの枚数気にして、ちょっと遠慮して食べなくてもいいんですよ、みなさん。ここは自由の国です。トルティーヤないからって、サルサとワカモレでちびちびやんなくてもいいんですよ、みなさん。ここは自由の国です。ここはタコス合衆国、トルティーヤは自由です。テイクフリー。
現場からは以上です。よかったですね。
*1:マサの粘性について、こんな論文がありました。人類、すごいですね。https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/48/10/48_10_759/_pdf